品位のあるWebライティング「表記の一貫性を保つ」ために注意すべきポイント

STUDY ライティング

Webライティングを仕事にしている方やWebメディアの編集をしている方にとって、掲載先のWeb媒体の文字表記規則に沿ってコンテンツをつくることはとても重要です。文字表記に一貫性をもたせることによって掲載先Web媒体の信頼や品位を保てるメリットがあるからです。

本記事では、ブロガー、Webライター、Webメディア編集者などのWebでの執筆活動に関係している方々向けに、具体的にどのような表記ぶれに注意する必要があるのかについて改めて紹介します。表記をそろえるヒントに役立てていただければ幸いです。

1. 環境依存文字を使わない

環境依存文字(機種依存文字)はユーザー側で文字化けする可能性があるので原則使わないようにすべきです。いくつかの環境依存文字で文字化けすることは以前よりは少なくなりましたが、使うのは慎重になるべきです。

以下、環境依存文字は使わない前提で進めます。

2. 数字表記をそろえる

数字には、半角と全角、桁区切りの有無、漢数字の使用可否など多くの表記パターンがあります。数字表記がそろっていない文章には読み手も気付きやすいので、最低限数字表記だけはそろえるべきです。

以下に数字表記でそろえておきたい表記パターンを紹介します。

2.1 半角数字と全角数字のどちらかにそろえる

半角数字もしくは全角数字のどちらかにそろえます。大手新聞社のニュースサイトでは全角数字に統一されています。

半角数字と全角数字のどちらにそろえても良いですが、Webでの読みやすさや実用性を考えると半角数字にそろえた方がよいでしょう。

2.2 桁区切りを使う、もしくは使わない

桁区切りとは、数字の桁が多くなったときに桁数をわかりやすくするために区切り文字を入れることです。

一般的には3桁ごとに区切り文字が挿入され、半角コンマが区切り文字として用いられています。例えば、1000や1000000に1,000や1,000,000のように区切ります。

あまり機会はないかもしれませんが、小数の桁が多いときに桁区切りを入れるかどうかもそろえます。小数の桁区切りをを使う場合は、0.000,001や1.111,11のように使います。

桁が多くなるほど桁区切りの必要性は高まります。桁区切りは可読性を考えれば基本的には使うべきです。

ただし、万単位以上になってきた場合は、1万、100億5000万のように表記する方が桁を把握しやすくなるので、五桁以上は漢数字でまとめるルールを定めるなど読みやすくするルールを例外的につくるべきでしょう。

2.3 小数点をドットにそろえる

小数点は、どちらかにそろえるというよりも日本語文章では原則ドットにそろえます。外国には小数点にコンマを使う国もありますが、日本語圏ではドットが小数点表記のスタンダードです。(参照:小数点 | Wikipedia

半角数字表記であれば半角ドットにそろえ、全角数字表記であれば全角ドットにそろえるときれいです。

2.4 分数表記をそろえる

Web上での分数表記は大きく分けて「3分の1」のように漢字を含めるパターンと「1/3」のようにスラッシュを使うパターンの2つがあります。

読みやすさや誤解の少なさを考えれば漢字を含めるパターンに文章全体でそろえる方がよいですが、テキスト量に制限がある場合や数学的・解析的な表現をしているときはスラッシュを使うパターンでそろえた方が好まれます。

Web媒体全体でどちらかにそろえるまでは必要ありませんが、同一文章内でどちらかにそろえるた方がすっきりします。

2.5 アラビア数字と漢数字の使用ルールをそろえる

漢数字の使用ルールを定めて使用に制限を加えるべきです。Web上の文章はほとんどが横書きなので、可読性を考えるとアラビア数字にそろえて漢数字を使わない方がよいでしょう。

ただし、「一番」や「五十歩百歩」のような熟語や、人名、地名など漢数字で表記すべき場合は例外として漢数字を使うべきです。

よって、ルールとしては「量を表現する目的で使われる数字にはアラビア数字を使い、熟語や人名や地名のように量を数える目的で使われていない数字には漢数字を使う」のように定めれば、説明しやすいと思います。

2.6 割合・比率表記をそろえる

割合を表現する方法は、パーセント(百分率、千分率)、漢数字(割、分、厘)、分数、小数などさまざまな方法があります。比べる数字が大きい場合は「倍」を使うこともあります。

どれか1つにそろえることは書き手の表現の幅が狭まってしまうので、状況に応じて使い分けられるように推奨レベルでゆるめに規定しておくことをおすすめします。

使い分け方の一例としては、「詳細な確率や濃度を示すときは百分率表記や小数表記、アバウトな確率や割合を示すときは漢数字表記や分数表記をする」のようにします。

3. 記号表記をそろえる

記号も表記がぶれやすいので注意が必要です。また、どういった条件で各記号を使ってもよいかの使用条件を定めておくことも大切です。

3.1 括弧表記をそろえる

括弧には種類が多く、多用するとその括弧が何を意味するのか読み手に分からなくなるため、使用可能な括弧とその用途を限定しておきましょう。一重丸括弧()、一重カギ括弧「」、二重カギ括弧『』、隅付き括弧【】に限定して使用可能とすることが多いです。

一重丸括弧のみ半角と全角があるのでどちらかにそろえます。数式内で使う場合は数字の半角全角に合わせます。

括弧を使うときには、始め括弧と閉じ括弧の全角半角が同じか、括弧が閉じられているか、括弧の内容が長すぎないか注意すべきです。括弧について詳しくは括弧 | Wikipediaを参照してください。

3.2 通貨単位記号の表記ルールをそろえる

通貨単位には、通貨記号($や¥など全角通貨記号)で表記する方法と通貨の名称(ドルや円など)をそのままテキスト表記する方法があります。通貨記号表記の場合、マイナーな通貨では環境依存文字にしか通貨記号がないため、通貨の名称をテキスト表記する方法にそろえた方が柔軟性が出ます。

3.3 日付・時刻の表記ルールをそろえる

日付と時刻の表記方法も統一します。

日付は、西暦表記と和暦表記、年月日の区切り方(yyyy年mm月dd日、yyyy/mm/dd、mm/dd/yyyyなど)をそろえます。

時刻は、24時間表記と午前午後を用いた12時間表記、時刻の区切り方(hh時mm分、hh:mmなど)をそろえます。

4. 言葉の表記をそろえる

言葉の表記をそろえるとは、例えば、「引越、引越し、引っ越し」のような送り仮名の使い方をそろえたり、カタカナ語の表記方法をそろえたりすることです。

ただ、数字や記号のようにパターンが限られないため、すべての言葉の表記をそろえることは労力がかかりすぎて現実的ではありません。最低限同じページ内で同じ表記をするレベルで十分なことが多いです。

4.1 送り仮名表記をそろえる

「引越、引越し、引っ越し」のように同じ言葉でも複数の送り仮名表記がある言葉があります。使い分けによって何か別の意味を持たせたいような特別な用途でなければ、どれか1つの表記にそろえるべきです。

4.2 カタカナ表記をそろえる

外来語のカタカナ表記は統一します。例えば、「violin」をヴァイオリンかバイオリンのどちらかにそろえたり、「main」をメインかメーンのどちらかにそろえたりします。

どちらにそろえるかはより一般的で違和感のない使い方を採用することをおすすめします。

4.3 語尾の長音の有無をそろえる

語尾の長音表記をのばすかのばさないかのどちらかの方法に統一します。

例えば、「computer」をコンピューターとした場合、「user」もユーザーにそろえ、コンピュータとした場合は、ユーザにそろえます。

ただ、語尾の長音表記をすべてそろえるのは大変なので、同じ語の長音有無のみそろえれば十分なことが多いです。

4.4 外国語の表記ルールをそろえる

英語のような外国語をアルファベットを用いて表記する場合、全角か半角かにそろえます。長文となる場合は半角の方が読みやすいので、半角でそろえた方が良いです。

5.句読点の使い方をそろえる

文の途中での区切りには読点「、」、文の終わりには句点「。」を用いるようにそろえます。読点にコンマ「,」やピリオド「.」を使う場合は文全体でコンマとピリオドを使うようにします。

また、会話文で用いる一重カギ括弧「」の閉じ括弧の直前に句点を使わないようにそろえます。

注意したいのは、文節ごとに読点を入れないようにすることです。読点の多用はかえって読みにくくなるからです。

6. 改行の使い方をそろえる

改行も使い方をそろえた方が読みやすくスマートな文章になります。

Webの文章はスマートフォンなどのディスプレイ幅の狭いデバイスでも読まれるため、文末以外で改行を入れるとデバイスによっては非常に読みにくい文章になります。

基本的には、1~3文ごとに文末に改行を入れます。1文が長くなる場合は、早めに改行を入れてください。

また、余白を通常より大きめに取る目的で改行を入れるのは、デザイン改修時にデザインの調整が難しくなるので避けることをおすすめします。

7. 文末表現をそろえる

日記やエッセイのようにカジュアルな文章でも良い場合以外は、「です・ます」調もしくは「だ・である」調で統一します。「です・ます」調は丁寧で柔らかい印象を読み手に与え、「だ・である」調は断定的でかたい印象を読み手に与えます。

また、「いたします」や「申し上げます」などの敬語の使用は、お客様向けの文章以外では避けてください。

8. ひらく漢字はひらいてそろえる

Webで漢字が多く含まれた文章を読むのと感じが少ない文章を比べた場合、漢字が少ない方が読みやすさが上がります。そこで、あえて漢字にする必要がない漢字をひらがなで表記する方法があります。この表記方法を「漢字をひらく」と言います。

例えば、「難しい」を「むずかしい」に、「頂きます」を「いただきます」にします。

ひらいた方がよい漢字は、ひらく漢字一覧にまとめています。

9. 列挙法の表記をそろえる

列挙法とは、関連性のある単語や文章を列挙していく表現手法のことです。

列挙法では、「漢字、ひらがな、カタカナ」のように読点を用いて列挙する方法と、「漢字・ひらがな・カタカナ」のように中黒「・」を用いて列挙する方法の2種類がよく使われます。分かりやすさを重視する場合は、中黒を用います。

10. リンクの表記をそろえる

文中にリンクを含める場合はリンク先の内容と関連したテキストにリンクを付けるようにそろえます。リンクのURLのみでリンクを表記する方法もありますが、リンク先のページがどんなページか読み手には分からないのでURLのみのリンクは避けてください。

まとめ

表記をそろえるのは意外に大変な作業です。しかし、表記をそろえるだけで文章が整ってスマートになるのでライターとしてのレベルアップを目指すなら避けて通れません。

日頃の文章作成から表記をそろえることに注意しておき、無意識に表記の一貫性が保たれた文章を書ける状態を目指してください。